こんばんは!
突然ですが、皆さんは「もっと記憶力があれば…」と思ったことはありませんか?私も日々そう感じています。しかし、記憶力を高めるのは簡単ではなく、特別なトレーニングや工夫が必要です。
そこで今回は、記憶がどのように作られ、定着していくのかを心理学的な観点から分かりやすく解説していきたいと思います。
記憶が作られる流れ
1. 注意
記憶が形成される最初のステップは「注意」です。私たちが日々の中で目にしたり耳にしたりする情報は膨大ですが、すべてを覚えることはできません。そのため、脳は「必要な情報」に集中する仕組みを持っています。この「集中力」ともいえる注意が、記憶がつくられるきっかけになります。
たとえば、誰かと会話している時に相手の言葉やジェスチャーに意識を向けていると、その会話内容を記憶しやすくなるのはこのためです。
2. 感情
次に、私たちが記憶するものには「感情」が大きく影響します。楽しかった出来事や驚いた瞬間、悲しかった体験など、強い感情を伴う経験は記憶に残りやすく、長期的に覚えていることが多いです。これは、脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部分が、感情に関連した情報を強化して記憶に刻み込むためです。
たとえば、大切な人と特別な日に過ごした時間や、初めての経験(初めて会った人や行った場所など)は、感情的な反応が大きいため、記憶に残りやすくなります。
3. 感覚
記憶はまた「感覚」とも強く結びついています。私たちの五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)は、情報をキャッチして脳に送り、記憶を形成する材料となります。たとえば、特定の香りや味があると、そのときの出来事や感情がふっとよみがえることがあります。このように、感覚を通して得られた情報は、記憶に深く影響を与えます。
4. 短期記憶
情報に注意を払い、感情や感覚を伴って脳にインプットされると、「短期記憶」として一時的に保存されます。この短期記憶は、数十秒から数分ほど持続しますが、長くは続きません。たとえば、誰かに電話番号を教えられ、そのまま一時的に覚えているのも短期記憶の働きです。
5. 海馬による処理
短期記憶として保存された情報のうち、必要と判断されたものは脳の「海馬(かいば)」でさらに処理されます。海馬は、情報を長期記憶へと変えるための重要な役割を担っており、情報を整理し、必要に応じて繰り返し復習することで、記憶をより確実なものにしていきます。
6. 固定化
最後に「固定化」というステップで、情報は長期記憶として脳に保存されます。この固定化の過程では、眠っている間の脳の働きが重要です。特に深い眠りの段階で、脳はその日に得た情報を整理し、必要な記憶を脳全体に定着させます。こうして、情報は長期的に忘れにくくなるのです。
記憶の種類
1. エピソード記憶
エピソード記憶は、具体的な「出来事」や「経験」に関する記憶です。たとえば、「去年の旅行で行った場所」や「友人と過ごした誕生日の夜」といった、個人的な体験やその場で感じたことが含まれます。この記憶は「いつ」「どこで」「何があったのか」といった時間や場所に基づいた情報を含むのが特徴で、自分の人生に関するエピソードが記録される記憶です。
2. 意味記憶
意味記憶は、言葉の意味や事実、一般的な知識に関する記憶です。たとえば、「地球は丸い」「犬は哺乳類である」「1年は12か月ある」など、個人的な経験に依存せずに誰でも知っているような情報がこの記憶に含まれます。エピソード記憶が具体的な出来事に結びつくのに対し、意味記憶は事実や概念の記憶で、知識や教養のもとになるものです。
3. ワーキングメモリー
ワーキングメモリーは、情報を一時的に保持し、操作するための記憶です。「作業記憶」とも呼ばれます。たとえば、「会議での内容を頭に入れておきながらメモを取る」「頭の中で数字を暗算する」など、今必要な情報を短期間保持して使うための記憶です。ワーキングメモリーは情報処理の中心として機能し、判断や問題解決、学習などの場面で欠かせません。
4. 手続き記憶
手続き記憶は、体の動きや技術に関する記憶で、スポーツや楽器の演奏、車の運転のように、身体で覚えるスキルに関係します。手続き記憶は、一度身に付けると忘れにくく、再び練習しなくても自然に体が動くのが特徴です。例えば、自転車の乗り方やタイピングなど、経験を通して身についた動作や行動パターンが含まれます。
5. 潜在記憶
潜在記憶とは、意識的に思い出そうとしなくても、無意識のうちに影響を及ぼす記憶のことです。たとえば、日常でふと聞こえた音楽が頭に残っている、広告の内容が自然に記憶されていて商品に興味を持つようになる、といった現象が潜在記憶にあたります。潜在記憶は、気づかないうちに私たちの判断や行動に影響を与える記憶で、習慣や行動パターンの背景に存在することが多いです。
簡単にですがここまでとします。
何かを学ぶときはただ単に学ぶのでなく、何か感情とかを利用するとうまくいくかもしれませんねw
ここまで読んでいただきありがとうございます!